美容室 注目の商材 傷みの原因 →システィン酸発生を減らす反応抑制型オキシ2剤
パーマ・ストレート(縮毛矯正)/ ヌーフイット のオキシ2剤(過酸化水素)
毛髪損傷のバロメーター「システィン酸の発生」とは
シスチン結合(SS結合)を還元剤で切断し、酸化剤で再結合を行う課程の中、100%の再結合は難しく、どうしてもその過程の中でシスティン酸を生成させてしまうのです。
そのシスティン酸の発生によって、SS結合が再結合しないために毛髪細胞間のゆるみが発生し、間充物質が日増しに流出してしまうのです。一度、システィン酸が発生するともう元には2度と戻りません。
システイン酸とは毛髪に多く含有されるシスチンが酸化されたもので、毛髪が紫外線を浴びたり、パーマやカラー施術などでダメージを受けると毛髪内で増え、毛髪のダメージ度合いを測る指標の一つとされています。「傷みの原因」と言われる「システィン酸」が増えるとその分S-S結合が減少して、毛髪組織のゆるみが出ることで間充物質が流出しやすくなり傷む。システイン酸はダメージの元凶と言われる物質ですが、パサパサのダメージヘアがぬらすとなかなか乾かないのはシステイン酸が水と結合しやすいからです。
パーマ施術直後は、システィン酸が沢山出来てもまだ間充物質の流出が少ないから気になりませんが、日増しに間充物質が抜けだしていくので、次回来店の時は損傷が随分進んでいることがあるんです。それが、システィン酸による損傷の怖さです。だからパーマをやると傷むといわれちゃう原因です。
そんな「システィン酸の発生」が2剤によって違いが出ることをご存知でしょうか?
傷みの原因 システィン酸の発生比較 ※ヌースフイット「ヒモーパーム 反応抑制型過酸化水素2剤」で検証
繰り返しパーマにおけるシスティン酸の生成率の変化
傷みの原因 システィン酸の発生
こんなに2剤の違いで損傷の度合いが変わってくるとは驚きです!
2液によってダメージの目安となる「システィン酸」が変化するということは、2液によってダメージ度合がかわるとも言えることです。表をご覧頂くと分かるように「システィン酸の発生」は臭素酸塩第2剤が、パーマの回数を重ねればよりはっきり違いが出てきます。ではなぜ臭素酸塩の方がシスティン酸を作りやすいかという事になります。
なぜ臭素酸塩が過酸化水素よりも傷みが大きいかというと・・・
下の図をご覧ください。臭素酸塩(NaBrO3)が1分子中に酸素を3つ持つのに比べ、過酸化水素(H2O2)は2個です。分子量は臭素酸塩はよく使用されている臭素酸ナトリウムNaBrO3で150.89で、過酸化水素は34で小さい分、浸透がよく過酸化水素は臭素酸塩に比べ反応性が高いと言われています。ここで注意したいのは、過酸化水素は1分子から酸素原子を1原子出し水になるのに対し、臭素酸塩は1分子から3個の酸素原子を出すということです。そして、臭素酸塩は反応性は遅いものの、いったん反応を始めると-SH基に多くの酸素を付加しやすく、システイン酸-SO3Hを生成してしまうことが多くなります。パーマの酸化工程では、-SH基2個に対し、酸素原子1個が反応することによって、水分子が抜けシスチン結合-S-S-(ジスルフィド結合)が再結合されるわけですが、いったんシステイン酸ができてしまうと二度と再結合はできなくなってしまいます。したがって、システイン酸を多く含む毛髪は組織が緩み、間充物質が流出しやすくなるわけです。こうした理由から、システイン酸の量が毛髪損傷度の指標になるわけです。
しかし、過酸化水素ならすべてよいと言うわけではありません。 「低濃度過酸化水素+反応を抑制」が重要
過酸化水素は、一般的に臭素酸塩に比べシステイン酸の生成が少ないのですが、過酸化水素を使用しているすべてのパーマ2剤が少ないわけではありません。ヌースフィットの研究で明らかになったことは、毛髪損傷を抑えかつシスチン結合の再結合をより効果的に行うためには、過酸化水素を低濃度でかつ酸化反応をゆっくり進めなくてはならないということです。 第2剤によるダメージは、反応が急激に起こることによって生じます。ヌースフイットが目安にしている低濃度とは、1.0%~1.5%程度としています。また、一気に酸化をしないようにするために「反応を抑制」して、通常の過酸化水素の放置タイム3~5分を15分かけて酸化することでシスティン酸の発生を抑制しています。
パーマや縮毛矯正などにとても重要な酸化2剤を比較検証
パーマの2剤は、大きく分けると「過酸化水素」「ブロム酸(臭素酸)」に分けられるがその2種類を検証
「過酸化水素」「ブロム酸(臭素酸)」の 2剤の特徴
- 過酸化水素(OX) : カラーの退色が少ない 柔らかい質感・滑らかな質感
- ブロム酸(臭素酸) : カラーの退色大 ハリコシが出て、リッチ感がある →理由 塩が生成されるので、引き締まった弾力のある髪になる
毛髪への浸透 2剤の浸透はどちらが良い ?
- 過酸化水素(OX) : 分子量 34 H2O2 分子量が小さいので、細部まで2剤の浸透がとても良く反応も早い。
- ブロム酸(臭素酸) : 分子量 150.89 NaBrO3 分子量が大きい分、過酸化水素に比べ深部への浸透に時間が多少掛かる。
繰り返しパーマにおけるウェーブ効率
傷みが少なくても思うようなウェーブがでなかったら、パーマ剤として意味をなしません。下の図をご覧ください。過酸化水素のヒモーパーム第2剤(過酸化水素2剤)は、繰り返し施術を行ってもそれほどウェーブダウンは起きませんが、通常の臭素酸2液の場合、パーマを繰り返すことにより段々と掛かりが悪くなってきます。この試験は、実験室で厳密にロッドに巻き、薬剤を完全に塗布したものですから、実際の施術では、この差はさらに激しくなります。
【知っておかなければならないパーマ剤2剤の基本知識】
【医薬部外品のパーマ剤の場合】
ブロム酸(臭素酸)は、薬剤の性質上、酸性領域で初めて活発に酸化が行われ、過酸化水素は、アルカリ領域で初めて、活発に酸化が行われます。その為にその条件に合った使用方法が求められます。従来は、1剤・2剤のセット販売限定でしたので、必然的にそれに沿った1剤・2剤をメーカーでセット販売するために、問題は起きませんでした。※実際のところ、過酸化水素の場合は、弱酸性域~中性域でも酸化スピードや酸素量は落ちますが、酸化はします。
しかし、今は上記の留意点を考えた使用方法が使用者自身に求められます。
これらを怠ると2剤の酸化不足が起き、ウェーブダウンや毛髪損傷の原因になります。
例えば、ブロム酸(臭素酸)は、薬剤の性質上、酸性領域で初めて活発に酸化が行われる為に、以前からブロム酸使用時には「酸リンス」を行ってから、2液塗布とされている訳です。(当社扱い製品、pHアジャスターpHバランスなどの場合、2液に混ぜて使用するとしています。)
【化粧品登録のパーマ剤の場合】
化粧品登録のパーマ剤の第2剤が臭素酸塩とされる理由
パーマ剤の酸化剤には臭素酸塩よりも過酸化水素が望ましいと考えています。しかし、化粧品登録のパーマ剤の第2液は、ブロム酸(臭素酸)とされています。
その理由は二つあります。
第一に、化粧品登録のパーマ剤(GMT・スピエラ・サルファイトなど)は、化粧品のカテゴリーに入りますが、かなり以前から旧厚生省の薬事通達によって医薬部外品の過酸化水素は化粧品パーマ剤には使えないという規制があります。
第二に、酸性域のパーマ剤の場合、この酸性領域だと上記でも記載した通り、過酸化水素の酸化力が弱くなり、カールがだれることが、起こります。その為に臭素酸塩を使用する事となります。 ※実際のところ、過酸化水素の場合は、弱酸性域~中性域でも酸化スピードや酸素量は落ちますが、酸化はします。
おススメの2剤
上記の事柄から通常のアルカリ側のパーマ・縮毛矯正には「過酸化水素2剤」をお勧めしますが、化粧品登録のパーマ薬剤(スピエラ・GMT・サルファイトなど)には、薬機法の関係で 「過酸化水素2剤」 は使えないことになっています。その為に化粧品登録のパーマ薬剤(スピエラ・GMT・サルファイトなど)には 、 ブロム酸(臭素酸) を使用することになります。結果の良し悪しの前に薬機法による規制があるからです。
◇アルカリ側のパーマ・縮毛矯正には「過酸化水素2剤」・・・ヌースフイットの2剤は、ほとんど「反応抑制型の過酸化水素2剤」で、対象に合わせてご利用になれます。ストレートや縮毛矯正などに使用する際は、ヒモストレートSSの2剤をお勧めします。2剤:pH3.3~3.7、反応抑制型過酸化水素水 過酸化水素濃度1.5%。 ストレートや縮毛矯正のカラー毛用・ダメージ毛用 には、ヒモストレートSの2剤をお勧めします。 2剤:pH3.3~3.7、反応抑制型過酸化水素水 過酸化水素濃度1.2% 。 ダメージ毛やカラー毛はよりゆっくり酸化させるために過酸化水素濃度が若干低くなっています。
お問い合わせの多い 縮毛矯正・ストレート用をご紹介
おススメ過酸化水素2剤 過酸化濃度1.2% (ヒモストS・M・Wの2剤は、同一製品で名称が違うだけの為、2剤単品販売を弊社ではヒモストS2剤に1本化しております)
商品名 | 過酸化水素濃度 | pH | 形状 | 対象 |
ヒモストSS2剤 425g 反応抑制型過酸化水素 | 1.5% | pH3.3~3.7 | スポイトでも使用できる乳液タイプ | ストレート・縮毛矯正 健康毛・ノンカラー用・酸性縮毛矯正用 |
ヒモストS2剤 425g 反応抑制型過酸化水素 | 1.2% | pH3.3~3.7 | スポイトでも使用できる乳液タイプ | ストレート・縮毛矯正 カラー毛用・ダメージ毛用 |
「反応抑制型 過酸化水素水2剤」の場合、15分(5分・10分)2度づけが基本となります。
※過酸化水素が濃すぎるとオーバー酸化で髪の変色(赤み)や急速な酸化によってシスティン酸を発生させやすくする原因となりますので、注意が必要です。最近は縮毛矯正の方もカラーをしている方が多いので、赤みが出ても解りずらいですが、オーバー酸化で脱色していることは、古くから縮毛矯正をやって過酸化水素を使用している方は赤みが出ることはわかるはずです。(以前は縮毛矯正の方は、ヘアカラーをしている方が少なかったために変色が分かりやすかった)
◇化粧品登録のパーマ薬剤(スピエラ・GMT・サルファイトなど)には 、 ブロム酸(臭素酸) ・・・bR2液をお勧めします。bR2液の良い所として、損傷の原因になるシスティン酸の抑制をするために同製品にも、「ヒモーパーム第2剤」の過酸化水素2剤同様に反応抑制型で製造されています。
商品名 | ブロム酸(臭素酸)濃度 | pH | 形状 | 対象 |
bR2液 | 7% | 6.0 | ローションタイプに近い液状 | GMT・スピエラなどの化粧品登録の還元剤用 ウェーブ・ストレート両用 |
「反応抑制型 臭素酸(ブロム酸)2液」bR2剤の場合、15分(5分・10分)2度づけが基本となります。
bR2液を縮毛矯正やストレートパーマなどに利用する場合、bR2液はローションタイプなので、垂れる為にBジェルを適度に加えて泡にして使用してください。これによって質感も上がり、操作性もよくなり塗布しやすくなります。
スピエラ・GMTなどの2剤でbR2液をお勧めする理由
本来、パーマ2剤で今、一番お薦めできるものは、ヌースフィットの「反応抑制型オキシ2剤」なのですが、残念ながら、GMTやスピエラなどの場合に限っては、薬機法により 化粧品登録のパーマ剤には、 過酸化水素は使えないという規制がある為にオキシ2剤を公にお勧めすることが出来ません。また、GMTやスピエラの場合、酸性域の還元剤ですので、オキシ(過酸化水素)の特性として酸性領域での酸化力は弱いという点もあります。 ※実際のところ、過酸化水素の場合は、弱酸性域~中性域でも酸化スピードや酸素量は落ちますが、酸化はします。
また、ヌースフィットが推奨する2液であるbR22液は「疎水性」「親水性」の両方を備えたスビエラ・GMT向けの2液です。(理由は、スピエラ・GMTは親水性と疎水性の両方を持った還元剤で毛髪に作用しているため) bR2液はブロム酸ですが、一般的なブロム酸濃度5.5~6%に対して、bR2は7%濃度あります。反応抑制型の為にゆっくり酸化する様に作られている分濃度を少し上げています。
bR2液を縮毛矯正やストレートパーマなどに利用する場合、bR2液はローションタイプなので、垂れる為にBジェルを適度に加えて泡にして使用してください。これによって質感も上がり、操作性もよくなり塗布しやすくなります。
【 使用方法 】 過酸化水素・ブロム酸(臭素酸) 共に15分の放置が必要です。
中間水洗後、 (パーマには、中間水洗が重要です。これをしないと2剤の浸透が悪くなります)
過酸化水素2剤ですが、放置時間 15分 (5分・10分) 2度づけとなります。(注、他メーカーの過酸化水素2剤は15分放置できません)
ブロム酸(臭素酸)の場合も同じで15分(5分・10分)の2度付け
※アルカリ域のパーマ剤使用の際は、アルカリ除去を行ってからやった方が髪に負担が少ないので、アルカリ除去用バッファー剤を適量、2液に入れられることをお勧めします。当社推奨 pHアジャスターを是非、お勧めいたします。
必ず15分以上の放置時間をお守りください。
システィン酸が多くなった場合、やむなく結合を繋いで損傷が進まないように「架橋を行う」のが、「パワーR2+」なのです。
SS結合程のチカラはありませんが、架橋することで強度回復し、毛髪細胞間のゆるみを少なくして損傷の進みを止める事が出来ます。
優れモノの「パワーR2+」 前処理・後処理など様々な場面で活躍します。