【美容専門知識】縮毛矯正技術 くせ毛の種類と特徴
様々な髪質がある中での縮毛矯正施術だけに、マニュアル通りにやってもうまくいかないことはしばしばあります。
施術客数も増えてくると実に様々な髪質のお客様に出会います。それは、先天性な髪質もあれば、日常の生活によって変わってしまった髪質など千差万別で、「マニュアル通りにやっているのにうまくいかない!」と嘆く方も少なくないかと思います。それを薬剤のせいにする方もいらっしゃるのも事実。
「マニュアル通りやっているのにうまくいかない!」という観点から考えると確かに薬剤のせいでもあるかもしれません。しかし、千差万別の毛髪状況のなかですべてのマニュアル化は不可能だと思います。一時、すべてに対応するマニュアル作りに没頭した時がありましたが、100通り作っても満足のいくものにはなりませんでした。施術を受けられるお客様の日常生活における環境は、100通りでも200通りでも足りないからです。例えば、てんぷら屋さんに長年お勤めのお客様に通常の薬剤塗布では、毛髪表面に油成分が付着しており薬液浸透が悪い場合もあり、また海辺で働く方の髪は塩分を含んでいたりして通常の施術では、不十分です。さらに単純なミスも多数あります。日常使用しているアイロンの不良で、設定した表示温度に実際は至っていなかったために熱不足で失敗。熱促進器を使用したが、きちんと髪全体に熱が伝わっていない為に部分ムラがある仕上がりに・・・等々、本当に単純なことから複雑な事柄など様々で書ききれないほどあります。
また、うまくいかない理由は、一つの事柄だけと決めつけられないことも多々あります。その為にもくせ毛を再認識することが重要だと思うのです。
縮毛矯正施術で悩んだら???
そんな時に縮毛矯正のやり方だけではなく、髪の特性を再認識することで大成功につながる場面が多数あります。施術方法で覚えるだけでは、不十分でそんな情報として資料をまとめてみましたので、参考になって頂ければ幸いです。
毛髪の基礎知識からくせ毛を考えてみましょう!
くせ毛を知るには、基礎知識もとても重要なので簡単にまとめました。基礎知識を思い出しながら、くせ毛を検証してみると色々発見できる事柄が出てきます。
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毛髪はどこで作られるのか?
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髪は毛根でつくられる
髪は地肌から出ている部分を毛幹、地肌の中にある部分を毛根と呼びます。
毛根の一番奥の毛球で、髪の元となる毛母細胞が毛乳頭からの指示で、分裂・増殖し各部位に分化し、さらに角化したものが毛髪。
毛髪(毛幹)は死んだ細胞ですが、毛母細胞が活発に分裂・増殖することによって押し出されるように伸びていきます。毛根は胎児のときにつくられ、その数は生まれてから基本的に一生変わりません。1つの毛穴からは2~3本の髪が生えています。髪質は赤ちゃんの髪の毛(産毛)から始まり→子供(軟毛)→思春期以降(硬毛)→加齢(軟毛・産毛)と、個人差はありますが変異していきます。 うぶ毛や新生児の毛には毛髄質がありません。この存在が、くせ毛と繋がることもあるかもしれません。
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どうやって生まれ変わるの? へアサイクル(毛周期)
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日本人の毛髪本数は平均10万本(欧米人は約14万本)といわれており、1日で約50~70本の毛髪が自然に抜けていきます。毛髪の成長速度は、1日に0.3㎜ 1ヶ月に1 cm程度で、1本の毛髪の寿命は男性の場合で3~5年、女性の場合で4~6年で生え変わる。この1本の毛髪が生まれてから抜け落ちるまでの周期を「毛周期」。毛周期は、成長期(成長期2)、退行期、休止期、発生期(成長期1)の4つの時期に分けられます。
成長速度:0.3〜0.4mm/1ヶ月で1cm程度 1年12cm~15cm
抜け毛の量:1日平均50本~70本程度(全体の0.1%)
ヘアサイクルの成長期に頭皮環境が整わないと毛穴の異形化起こり「毛穴変形説」が生じる事が考えられる
毛穴変形説とは、毛髪を作る組織である毛穴自体が変形していることで、そこから伸びる際に毛髪も変形して育つためにクセ毛となってしまう説。特に毛穴の形状によって、毛穴の変形が強ければ、強いほど強いくせになる。楕円→波状毛 強い楕円→縮毛
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髪の太さと断面の形は?
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日本人女性の髪の太さは、平均約0.08ミリ。欧米人の平均は約0.05ミリで、日本人の髪は平均して欧米人の1.5倍の太さです。太い髪にはコルテックスが多く存在します。人種による違いは、太さだけでなく断面形状やキューティクルにもあります。一般にアジア人毛は断面が真円に近いのに対し、欧米人毛は楕円形をしています。
このコルテックスの片寄によって、クセが生じる「コルテックス偏在説」 が考えられます。「コルテックス偏在説」とは、 毛髪内のコルテックス部分を大きく分けるとパラコルテックスとオルトコルテックスに分かれるが、疎水性が強いパラコルテックスと親水性が強いオルトコルテックスが一方に偏ってしまうことで、起きるクセ。 毛髪の成長期に毛母に供給された血液量などによって変化すると言われています。
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太さや硬さは?
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太さや硬さはコルテックスでほぼきまる
髪の太さや硬さは、髪の大部分を占めるコルテックスの量で決まります。コルテックスの量が多いと髪は太く、少ないと細い。多くの場合、太い髪は細い髪より曲がりにくいため、かたく感じられる傾向があります。
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髪の構造(基本構造)は?
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髪は、キューティクル、コルテックス、メデュラでできている
1本の髪は、大きく分けると3つの部分からなり、一番外側をキューティクル、中間部をコルテックス、中心部をメデュラといいます。
化学的な構成成分は、大部分がタンパク質であり、残りは脂質、メラニン色素などです。毛髪のタンパク質は、シスチンというアミノ酸が多いのが特徴。キューティクル(毛表皮) 髪の表面にある保護膜のような組織で、これが壊れると髪が傷みます。
半透明のうろこ状のものが平たく4~10枚重なって、髪の内部組織を守る働きをしています。キューティクルは、濡れていると柔らかいため、特にこすれることによって、欠けたりはがれたりし、毛先ほどキューティクル枚数が少なくなっています。
コルテックス(皮質) 髪の内部を形づくる組織で、髪の強さや、しなやかさのもとです。
髪の85~90%を占めるコルテックスは、繊維状の束とそれを取り巻く構造でできています。
この部分のタンパク質・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します。また、メラニン色素は主にこの部分に含まれていて、その種類と量によって、髪の色が決まります。メデュラ(髄質) 髪の中心部にある組織ですが、これがない髪もあります。多数の空胞があり空気を含んでいる。
髪の中心にあるメデュラは、やわらかいタンパク質による網目状あるいは多孔質構造で、ダメージを受けると多孔質構造の割合が増加します。
膨潤や収縮する際の緩衝スペースや、大きな空洞を有する動物の毛では断熱効果に役立っていると考えられています。
細毛には少ない、若しくは存在しないことが多いが、太毛には存在感が強い。うぶ毛や新生児の毛には毛髄質がありません。この存在が、くせ毛と繋がることもあるかもしれません。
日本人の70%が何らかのくせ毛と言われています。髪は大きく分けて5つの成分で構成され、それぞれのバランスが保たれることで健康な状態を維持しています。タンパク質80~90% /水分11~14% /脂質1~8% /メラニン色素約3% /微量元素0.6~1%
※水分11~14%には、結合水(分子、粒子と化学結合した水分)・自由水(分子、粒子の周囲の水分)が含まれる。
キューティクルは髪内部の水分量を調整する役割があり、手触りやツヤを決定する大切な部位です。通常、乾いた状態では閉じていて強いバリア機能を発揮します。濡れた状態では開き、擦れや剥がれがおこりやすく、ツヤの低下や、絡まりなどのダメージに繋がるため注意が必要です。
傷んだ髪は、キューティクルの損失にによって水分量に不均等差が生まれることで、くせ毛を発生させます。
普通の紙を濡らして、片側だけを乾かすと平らだった紙が、変形しますが、紙を均一に乾かすと平たくなり、アイロンで均一の水分量状態を保つと平たく保持出来ます。水分が一定の均一を保つことで、くせ毛は直毛にもなるという事にもつながりますが、これは水分量の不均等によるくせ毛の場合です。さらに水分が乾くと同時に水素結合の再結合がおきるので、均一に乾くと直毛になり、不均等に偏って乾くとくせ毛になってしまいます。
主だったくせ毛の要因
毛穴変形説
毛髪を作る組織である毛穴自体が変形していることで、そこから伸びる際に毛髪も変形して育つためにクセ毛となってしまう説。特に毛穴の形状によって、毛穴の変形が強ければ、強いほど強いくせになる。楕円→波状毛 強い楕円→縮毛
その為に頭皮環境を整えることによりクセが改善されることがあります。
コルテックス偏在説
毛髪内のコルテックス部分を大きく分けるとパラコルテックスとオルトコルテックスに分かれるが、パラコルテックスとオルトコルテックスが一方に偏ってしまうことで、起きるクセ。
コルテックス細胞が偏って分布して曲がったりねじれたりする。
毛髪内部のコルテックス細胞には、少なくとも2つの種類があり、この2種類は細胞内部の構造や組成が異なり、硬さも少し違います。断面で見ると、直毛は2種類の細胞の分布の偏りがなく、細かくモザイク状または同心円状に分布しているのに対し、くせ毛はこれらの細胞が偏って分布していて、その偏りが大きいほどくせが強い。
オルトコルテックス
軟質で水分を含みやすい親水性コルテックス・パラコルテックスと比較すると膨潤しやすい
一般的な還元剤(チオ・シスなど)を使用すると還元膨潤しやすい
パラコルテックス
硬質で水分を含みにくい疎水性コルテックス・オルトコルテックスと比較すると膨潤しにくい
一般的な還元剤(チオ・シスなど)を使用するとオルトコルテックスと比較して膨潤しにくい
※オルトコルテックスは親水性が強いコルテックスであり、パラコルテックスは、疎水性の強いコルテックスである為、膨潤のしやすさが違うために一見伸びたように見えた縮毛矯正施術が、パラコルテックスとオルトコルテックスの還元に差がある為、乾いた状態にすると不均等な還元によってうねりが再現されてしまう。その為にスピエラやGMTなどの疎水性側の強い還元剤を使用するとその差を緩和させることが出来ます。パラコルテックスの還元とオルトコルテックスの還元に親水性還元剤と疎水性還元剤のW還元が有効。但し、W還元の際、考えなければならないことに強いアルカリ還元剤を使用すると髪を傷めやすいことを考慮し、低アルカリ還元剤をお勧めします。因みにスピエラ・GMTなどの還元剤は疎水性が強いが、親水性も兼ね備えている還元剤です。
親水性還元剤/チオグリコール酸・システイン・サルファイト 疎水性還元剤/スピエラ・GMT・システアミン
S-S結合の偏在説
毛髪内のS-S結合(シスチン)の片寄によって、毛髪内の水分分布に不均等が起き、膨潤しやすい部分と膨潤しにくい部分が生じることで、うねりが生じクセが発生するという考え方。
これに関しても結局は、毛髪内の水分の不均等化が挙げられるのです。水分の均等化が出来れば直毛になるという事です。
成長過程による頭蓋骨の大きさの変化による
幼少期から成長期になるにつれて、頭蓋骨が大きくなり頭皮も引っ張られ、それにより毛根や毛穴の形が変わっていくことで髪質が変化していくとされています。その他にも、思春期・青年期のホルモンバランスによっても髪質の変化が多少なりあるともいわれており、くせ毛だったのにストレートヘアになることもあれば、逆にストレートだったのにくせ毛になってしまうこともあります。
「赤ちゃんのくせ毛」ですが、なぜ起こるのかと言うと、うぶ毛や新生児の毛には毛髄質はありません。毛髄質(メディラ)がない髪として、「細毛は少ない・若しくは存在しない」ことが多いが、太毛には存在感が強い。これらもクセの原因に何らかの繋がりも考えられます。
先天的原因 いわゆる「遺伝」によるもの
毛母細胞で作られる過程での違いがある(黒人の場合 直毛の人は珍しい)
SS結合の偏在による学説(すでに確認済) これによって水分分布が不均等になるため、乾燥しやすい部分と乾燥しにくい分にがありクセが発生すると言われています。直毛は、SS結合のある所には結合水が多く存在する。ダメージ毛の場合SS結合の減少によって※1結合水が減少するのでくせ毛になりやすい。
普通の紙を濡らして、片側だけを乾かすと平らだった紙が、変形しますが、紙を均一に乾かすと平たくなり、アイロンで均一の状態を保つと平たくなります。
水分が一定の均一を保つことでくせ毛は直毛にもなるという事にもつながりますが、これは水分量の不均等によるくせ毛の場合です。さらに水分が乾くと同時に水素結合の再結合がおきるので、均一に乾くと直毛に不均等に偏って乾くとくせ毛になってしまいます。
その為、以前「ヒアルロン酸が大量に配合されたトリートメント」を使用することで、毛髪の水分量が増え、ある程度直毛に近くなり、大変売れていた記憶があります。
※1 ミイラの髪は何百年経っているのに形が残るのは、毛髪を乾燥させない結合水のチカラです。結合水は、凍結、気化、蒸発がとてもしにくい水分です。分子、粒子と化学結合した水分
濡れた髪は、水素結合が切れて形が自由に変えられる状態です。形を整えて乾かすとヘアスタイルが決まります。髪全体がムラなく乾いたときに形が整っていると、そのスタイルが長持ちします。
乾くというのは・・・
毛髪内の水分の移動がなくなること。
毛髪内の水分量は、外気の湿度に左右され、湿度が高いほど毛髪内の水分量も多くなります。毛髪を乾かしすぎると、乾燥後に湿気を吸収し、逆にスタイルが崩れやすくなることがあります。
後天的原因 加齢によるホルモンバランスの乱れや、食生活を始めとする生活習慣の乱れ
◆皮脂のつまり・汚れなど
シャンプーの洗い残しや汚れの付着などにより毛穴の形状がかわり、くせ毛になる場合があります。
◆髪の毛へのダメージ
紫外線を浴びたり髪の毛を濡れたまま放置するなどして髪の毛がダメージをうけ、そのダメージによってくせ毛になる場合があります。
◆栄養の偏りや急激なダイエットなど
栄養が偏ったり急激なダイエットにより充分な栄養が受け取れず、毛包周辺の毛細血管の減少による「細毛化」「キューティクルの減少」などによるくせ。
◆ホルモンバランスの乱れ
環境の変化や生活習慣の乱れ(食事・睡眠・ストレス)、老化などでホルモンバランスが崩れ、くせ毛になる場合があります。産後のくせなどもこのタイプ。
◆内部組織(コルテックス)の偏り
髪の毛の内部には水を吸収する組織(コルテックス)があります。コルテックスの内部の細胞分布が偏ると、一部分だけ水を吸収するためくせ毛になる場合があります。
◆ケミカルダメージによる
パーマやカラーなどの繰り返しでダメージが現れ、キューティクルなどが破壊され、タンパク質の一部が欠落し毛髪内の水分量が調整されなくなり、毛髪の部位の水分量に不均等差が生まれることで、くせ毛を発生させます。
◆加齢によるうねり
年齢と共にだんだん頭皮にたるみが生じるため、毛穴が歪んでしまいます。その結果、真っ直ぐな髪の毛が生えてこず、うねったくせ毛になってしまうのです。また、ホルモンバランスも女性の髪に影響を与えます。これらは「エストロゲン」という女性ホルモンが影響しています。エストロゲンは、胸を膨らませたり、丸みのある女性らしい体を作ったりするなどの働きがありますが、髪を育てる働きもあります。35歳を過ぎるころから、卵巣の機能が低下していき同時にエストロゲンの分泌量も低下していきます。美しい髪を育てていたエストロゲンが減少するので、髪質が変化していってしまうのです。エストロゲンの減少によって、髪がうねったり、パサついたり、ツヤがなくなったり、抜け毛が増えるなどの変化が現れます。さらに、毛髪内の塩基性アミノ酸は10%占めますが、活性酸素によって酸化し、+チャージがなくなり側鎖結合の塩結合が緩み、疎水性になり水分が残りにくくなり、パサつき、くせが出やすくなると言われています。また、毛髪生成するために必要なアミノ酸が、加齢に伴って生成されにくくなるという説もあり、いずれにしてもどの説も加齢によって、正常な機能を失う為に毛髪は弱いものになっているという事実です。
主だったくせ毛の種類
※本来のW還元・トリプル還元とは、違う部位の相違する還元(疎水部分の還元・親水部分の還元など)を指すのですが、本文中は解かりやすくするために使用している還元薬剤数を基にW還元・トリプル還元と記載しています。
波状毛
日本人に最も多いくせ毛
三つ編みをほどいたようなウェーブがついているタイプやうねりの軽いタイプ、表面は直毛に見えても内部が波状毛になっているタイプなど大きくうねりを描いたりゆらゆらと弧を描くような形状をしています。
パーマをかけていないのに髪自体にウェーブがかかっている感じで、湿気があるとよりウェーブが強くなり、髪の毛が広がりやすく、膨らみやすいのが特徴です。湿気に弱く、広がりやすく膨らみやすい。
いわゆる、うねりのあるくせ毛で、湿気によって広がりやすいタイプです。手触り、指通りはそれほど悪くありませんが、うねりが強いとゴワついて見えることもあります。左右のクセが違うことが多いので片方だけハネたりします。さらに湿度が高いと湿気を吸ってしまい膨らみやすく、梅雨時期に広がって収まらない・まとまらないという方はこの波状毛であることが多いです。
※親水性還元剤・疎水性還元剤どちらでも可能ですが、昨今の主流である自然な縮毛矯正を求めるのであれば、還元剤「スピエラ&GMTのW還元」をお勧め ジカルボン酸使用の酸熱で落ち着かせることも可能
縮毛
細かく縮れたくせ毛のことで、黒色人種に多く見られます。髪の断面がそら豆のように湾曲していて、縮れが強いのが特徴。毛髪が縮れた状態になっています。髪が濡れている時も、乾いる時も「ちぢれている」黒人に多いタイプで、細かい捻れ縮れのくせ毛のこと。断面がソラマメ状になっています。縮毛に近くなるほど毛根が湾曲している。アフロヘアのようにチリチリに縮れたくせ毛で縮れが強く、硬くボリュームも出やすいタイプである。毛髪中の水分が少ない 水分を弾きやすくパサパサしています。
毛髪の損傷度合にもよりますが、アルカリ還元剤での縮毛矯正をお勧め。親水性・疎水性の還元剤によるW還元 もお勧め。
捻転毛
髪が縄のように捻れた状態のくせ毛。コイル状にねじれているタイプのクセ毛。髪、一本一本が「ねじれている」ため触り心地はざらついています。非常に切れやすいのが特徴です。
オルトコルテックス(吸水性高い)とパラコルテックス(吸水性低い)の水分量の違いにより、ねじれのあるくせ毛で、髪が縄のようにねじれた状態になっています。ねじれている部分が切れやすく、髪のパサつきが気になる場合もあります。髪がらせん状にねじれているくせ毛で、くせが弱いと一見ストレートのようにも見えますが、触るとパサつきやごわつきがある髪質。くせが強いとボリュームが出て広がりやすくなる。毎日の頭皮のマッサージや毛穴の洗浄で改善されることがあると言われています。
※切れやすい髪を考慮して、スピエラ・GMTの還元剤をお勧め。場合によっては低アルカリ還元剤とスピエラ・GMTのトリプル還元も良いかと思います。
加齢によるうねり
加齢により髪質が変化するのは頭皮のエイジングが原因です。年齢と共に毛包周辺の毛細血管の減少により、充分な栄養素が受け取れずだんだん頭皮にたるみが生じるため、毛穴が歪んでしまいます。また、重力によって全体が下に落ちてくるため「血行不良」が起きる。「毛穴の変化も起きる」髪の根を取り囲んでいる毛穴が緩んで、髪が成長するときにうねって生えてきてしまうのです。さらに頭皮の硬化、頭皮が下に引っ張られることで頭皮の厚みが少なくなり、弾力も失ってきます。
結果、真っ直ぐな髪の毛が生えてこず、うねったくせ毛になってしまうのです。また、ホルモンバランスも女性の髪に影響を与えます。これらは「エストロゲン」という女性ホルモンが影響しています。エストロゲンは、胸を膨らませたり、丸みのある女性らしい体を作ったりするなどの働きがありますが、髪を育てる働きもあります。35歳を過ぎるころから、卵巣の機能が低下していき同時にエストロゲンの分泌量も低下していきます。美しい髪を育てていたエストロゲンが減少するので、髪質が変化していってしまうのです。エストロゲンの減少によって、髪がうねったり、パサついたり、ツヤがなくなったり、抜け毛が増えるなどの変化が現れます。さらに、毛髪内には塩基性アミノ酸が10%占めるが活性酸素によって酸化し、+チャージがなくなり側鎖結合の塩結合が緩み、疎水性になり水分が残りにくなり、結果パサつき、くせが出やすくなるとも諸説があります。また、毛髪生成するために必要なアミノ酸が、加齢に伴って生成されにくくなるという説もあります。いずれにしてもどの説も加齢によって、正常な機能を失う為に毛髪は弱いものになっているという事実です。ちょっと長い説明になってしまい申し訳ありませんが、これも頭皮の正常化によってかなり改善されることがわかっています。頭皮の正常化によって、くせ毛だけに尽きず、パサつきや艶、抜け毛などの改善も出来てきます。また、髪のたんぱく質や水分・油分のバランスが悪いことも髪がうねる原因にもなります。
※弱い毛髪だけにスピエラ・GMTによるW還元をお勧めします。 ジカルボン酸使用の酸熱で落ち着かせることも可能
ケミカルダメージによるくせ
キューティクルは毛髪内部の水分量を調整する役割があり、手触りやツヤを決定する大切な部位で、通常乾いた状態では閉じていて強いバリア機能を発揮します。しかし、ケミカルダメージによって、濡れた状態で簡単にキューティクルが開き、擦れや剥がれがおこりやすく、その結果、ツヤの低下や、絡まりなど多い。ダメージに繋がるため濡れ髪の扱いは注意が必要です。
傷んだ髪は、キューティクルの損失によってタンパク質の一部が欠落し毛髪内の水分量が調整されなくなり、毛髪の部位の水分量に不均等差が生まれることで、くせ毛を発生させます。
※傷んでいるだけにスピエラ&GMTによるW還元をお勧めします。
連珠毛
髪の内部が一定間隔で太くなったり細くなったり数珠状になっているくせ毛で、縮毛矯正によってストレートにすることが難しいという特徴があります。
髪の太さが一定ではなく、凹凸感があります。「折れやすい」「切れやすい」といった特徴もあるため、髪の毛が綺麗に伸びにくい。細い部分が簡単に切れてしまうため、縮毛矯正をかけるのが難しい。
これらの施術にお勧めの疎水性還元剤(酸性域の還元剤) スピエラ・GMT (マニュアルもご用意)
くせ毛が伸びない最大の原因
様々な髪質によって、適した還元処理が行われず、その結果、還元不足により伸びない、また、必要以上に還元しすぎてダメージを与えた結果、キューティクルの破損や毛髪内のタンパク質流出による水分不均等などによって新たなクセが出てしまい伸びないという事が多く存在します。
また、アイロンの際の毛髪水分調整や熱調整も失敗の大きな原因に挙げられます。疎水性の還元剤を使った「酸性還元剤」のアイロン技術に関して下記の 「 重要なアイロン技術 」を是非ご覧ください。80%程度の水分コントロートなどアイロン技術は非常に重要です。
重要なアイロン技術
アイロン技術動画 アイロン前の毛髪ドライ割合が重要な秘訣
W還元・トリプル還元による還元
毛髪内部の疎水性の部分を還元させるために疎水性の還元剤「スピエラ・GMT・システアミン」を使用。さらに親水性の部分を「チオグリコール酸・システイン」などの親水性還元剤を使って、同一施術内で行う事。
前処理で、 疎水性の還元剤「スピエラ・GMT・システアミン」を使用して還元をしてから中間水洗。その後、低アルカリの親水性還元剤(チオ)などを利用して還元していくなどの使い方もあります。但し、アルカリ還元剤のアルカリ濃度などは、低めのものを使用するなど充分に配慮して行ってください。
前処理で、 疎水性の還元剤「スピエラ&GMT」を混合して使用し、W還元をしてから中間水洗。 その後、低アルカリの親水性還元剤(チオ)などを利用して還元していくトリプル還元などの使い方もあります。但し、上記同様にアルカリ還元剤のアルカリ濃度などは、低めのものを使用するなど充分に配慮して行う必要があります。
FMCB理論をご紹介します。W還元・トリプル還元の理解に役立つ理論で、これからの縮毛矯正やパーマには不可欠な知識です。
還元剤濃度によっても伸びの違いが生じる
スピエラやGMTなどの酸性還元剤を使い、縮毛矯正などを成功させるためには、還元力の目安が解る「チオ換算」の知識は必要です。
マニュアルに適合した同じ髪質ばかりなら問題ないのですが、人の髪は千差万別だけに全ての髪質に合わせたマニュアル化は難しい。アルカリが含まれない酸性域のスピエラ・GMT使用の際、毛髪の膨潤がほとんどない為にテストカールや軟化チェックの際に必要な還元に達しているか分かりずらい。その為、還元力の強さを測る為に事前に「チオ換算した還元力」を知ることは、とても重要な役割を果します。本気で縮毛矯正のプロになるなら知っておく事柄です。
柔らかい自然なストレートが出来る スピエラ・GMT
近年の縮毛矯正の要望に「自然なストレート」というお客様の要望があります。 「スピエラ・GMT」 などを使用すると酸性域の還元剤であることもあり、ダメージも軽減され、仕上がりもお客様の要望にある「自然なストレート」に仕上がります。
2液の重要性
システイン酸を作らないことがポイント
高pHのアルカリが残留した髪に180℃のアイロンで施術をした場合、S-S結合が壊れてランチオニン結合(- S -)が生まれ、二度と還元剤で切れない髪になってしまいます。これによってストレートパーマした髪にはウエーブできなくなってしまいます。
美容室限定「会員専用仕入サイト」
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