還元剤のシステアミンは親水性? 疎水性? どっちですか?

お問合せの中に「インターネット上でシステアミンは、親水性だ!という表記と疎水性だ!という表記の両方あるのですが、本当はどっちですか? 親水性ですか? 疎水性ですか?」という質問がありましたので、掲載させて頂きました。システアミンは、一般的なチオグリコール酸と比べると疎水性に寄っており、スピエラやGMTと比べると親水性寄りの還元剤です。本来、親水性と疎水性の両方を持っているので、親水性寄り、疎水性寄りという表現が正しいかと思います。

結論から先に言うと「システアミン」は、親水性寄りの還元剤です。詳しい説明は、下記を参照してください。

疎水性といわれる還元剤でも、親水性である中でより疎水性に近い、より親水性に近いと分けている

ヌースフイット様から頂いた情報ですが、「疎水性か親水性かを白黒つけれるものではありません。パーマ剤の容器の裏側を見ていただくと全成分が表示されていますが、どの還元剤でも水に溶かしていることがわかります。「疎水性」であれば水に溶かすことは困難です。」「疎水性といわれる還元剤でも、親水性である中でより疎水性に近い、より親水性に近いと分けているのです。

システアミンは、親水性寄りの還元剤

システアミンは、チオグリコール酸と比べると疎水性に寄っており、スピエラやGMTと比べると親水性寄りの還元剤です。しかし、以下を見て頂くと解りますが、あえてチオグリコール酸が親水性の還元剤と言うならば、システアミンも親水性の還元剤と見れるかと思います。

より詳しく調べると

化学物質の疎水性を表す指標-logPow(オクタノール/水分配係数):数値は逆数をとっているため、数値が小さいほど疎水性が高い。

※LogPowとは、化学物質の疎水性を表す指標です。オクタノール/水分配係数が高ければ高いほどにその化合物は脂溶性であるという目安になります。たとえば、オクタノール/水分配係数が2の場合、オクタノール層に水層の100倍の化合物が溶けていることになります。3の場合は1,000倍、4の場合は10,000倍と、値が1上がるごとに一気にオクタノール層に分配される割合が上がります。

-logPow(オクタノール/水分配係数)

◇ 塩酸 (-logPow 4) (非常に水と溶けやすい=親水性が強い)

◇ チオグリコール酸 (-logPow 2.6)

◇ システアミン (-logPow 2.47)

◇ スピエラ (-logPow 0.77)

◇ GMT (-logPow 0.66)

◇ イソプロペニルベンゼン (-logPow 0.28)(非水溶性液体=疎水性が強い) 

オクタノール/水分配係数)

数値を見ても分かる通り、システアミンはチオグリコール酸よりは、疎水性ですがその数値は僅かで、チオグリコール酸を親水性還元剤と言うならば、チオグリコール酸に近い親水性寄りの還元剤であることが解り、スピエラとGMTとは一線を置くことが解ります。

基本的に施術に於いて、疎水性部分の還元か、親水部分の還元かと考えて施術を行うのであれば、親水性部分の還元と考えた方が良いかと思います。しかし、忘れていけないことにこれらの還元剤は親水性・疎水性の両方を持っていることを忘れてはいけないかと思います。

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